MP4ファイルは音楽データや動画データ、字幕データなどを格納できるファイル形式です。YouTubeなど一部の動画プラットフォームは、音楽を動画ファイル形式に格納し、ミュージックビデオや歌詞を参照できる機能を提供しています。このため、MP3からMP4に変換し、動画を作りたいと考える方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、MP3からMP4にファイル変換できるフリーソフトを紹介します。
Part1.MP3・MP4とは
MP3とMP4の比較
MP3とMP4はどちらも国際標準規格のデジタルメディアファイル形式ですが、目的や機能が異なります。
MP3は主に音声ファイルの圧縮と再生に使用されるフォーマットです。インターネット上で音楽を共有したりや、メディアプレイヤーで音楽を聴いたりするのに適しています。
これに対して、MP4は動画データと音楽データの両方を格納できるコンテナフォーマットで、YouTubeなど動画プラットフォーム上でのファイル共有やストリーミング再生、メディアプレイヤーでの再生など、多目的に使用されます。
MP3からMP4に変換するメリット
マルチメディアの統合
MP4は動画、音楽、字幕、静止画など、複数のメディアタイプを1つのファイルに組み合わせることができるコンテナフォーマットです。音楽データしか格納されていないMP3ファイルをMP4に変換することで、動画データや字幕データをオーディオトラックに追加することが可能になります。これによりミュージックビデオの作成やプレゼンテーション用の動画の作成など、活用の範囲の幅が広がります。
メタデータと字幕の追加
MP4フォーマットでは、アーティスト名やアルバム名、トラック情報などのメタデータや字幕を簡単に追加できます。これにより、ファイルにより豊かな情報を含ませられ、ユーザー体験を向上させます。
Part2.MP3 MP4変換 フリーソフト5選
MP3 MP4変換フリーソフト①:Windows10の標準機能
Windows10に標準搭載されているフォトアプリは、写真の管理だけでなく、画像付きMP4動画を作成する機能もあります。そのため、MP3をMP4に変換することが可能です。Windows11の新しいフォトアプリにビデオ作成機能がなくなりましたので、「フォトレガシ」というアプリをMicrosoft Storeからインストールする必要があります。
フォトアプリ(フォトレガシ)でMP3をMP4に変換するには、「ビデオエディタ」を起動し、BGMを挿入するだけです。
MP3 MP4変換フリーソフト②:Real Player
RealPlayerは、リアルネットワークスによって開発されたメディアプレイヤーで、動画や音楽の再生、ダウンロード、そしてファイル変換機能を提供しています。RealPlayerのファイル変換機能は、Real Player Converterというツールを利用することで可能です。Real Player Converterを利用するには、Real Player Converterを起動してからMP3ファイルを開き、出力形式をMP4にする必要があります。Real Player Converterは、MP4ファイルの品質をカスタマイズする機能も提供しています。
MP3 MP4変換フリーソフト③:VLC Media Player
VLC Media Playerは、VideoLANプロジェクトによって開発されたフリーソフトで、多様なメディア形式の再生だけでなく、ファイルの変換やストリーミングといった機能も提供しています。VLCは、MOV、MP4、AVI、WMV, MKVなど、ほぼ全ての動画ファイル形式と、MP3、WAV、FLAC、AACなどの音楽ファイル形式を含む多くのメディアフォーマットに対応しています。また、動画や音楽のコーデック選択、ビットレート、解像度、フレームレートなど、詳細な出力設定をカスタマイズすることができます。
VLC Media PlayerでMP3をMP4に変換するには、MP3ファイルを読み込み、お好みの品質のMP4ファイルを選択するだけです。また、字幕データを統合することも可能です。ただし、動画プレイヤーが主機能であるため、出力するMP3ファイルをカスタマイズするためには、コーデックなどの知識が必要です。
MP3 MP4変換フリーソフト④:Clipchamp
Clipchampは、オーストラリアの企業が開発した動画編集ソフトで、2021年にマイクロソフトが買収しました。そのため、Windows11に標準搭載されている動画編集ソフトとなっています。
Clipchampは、動画ファイルを異なるファイル形式に変換するプロセスを簡単かつ迅速に行うことができ、MP4、WebM、AVI、MOVなど、多くの動画ファイル形式に対応しています。ユーザーインターフェースは現代風で直感的であるため、初心者でも簡単に操作が可能です。また、動画の解像度や品質を調整するオプションを提供しており、出力ファイルのカスタマイズが可能です。Clipchampは無料プランと有料プランの2つを用意しており、高度な機能を利用するためには有料プランに加入する必要があります。
MP3 MP4変換フリーソフト⑤:XMedia Recode
XMedia Recodeは多機能なメディアファイル変換用フリーソフトで、あらゆる主要な動画ファイル形式や音楽ファイル形式への高度な変換オプションを提供しています。このため初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応しています。
XMedia Recodeは、MP4、MKV、AVI、MOV、MPEGなどの動画ファイル形式、そしてMP3, AAC、FLACなどの音楽ファイル形式を含む多数のフォーマットをサポートしています。また、複数のファイルを一度にロードして変換することができるため、大量のファイル変換作業を効率的に行うことが可能です。
XMedia RecodeはiPhone、iPad、Androidスマホなどモバイル端末向けのプリセットを提供しており、特定のデバイスでの再生に最適なフォーマットと設定で簡単に変換できます。
なお、MP4からMP3に変換したいなら、下記の記事を読んでみてください。
MP4をMP3に変換できるツールでおすすめは?フリーソフト・サイトおすすめ各5選
Part3.MP3からMP4に変換するならWondershare UniConverter
MP3は音楽データのみを格納しているのに対して、MP4は音楽データ、字幕データ、映像データなど複数種類のデータを格納しています。MP3からMP4に変換することは、情報を増やす操作になります。このため、動画編集の一機能として提供しているフリーソフトが多く、初心者にとって使いづらいかもしれません。
Wondershare UniConverterは、動画ファイルや音楽ファイルなどに対応するファイルコンバーターです。UniConverterを使うと、MP3からMP4を作り出す操作を、あたかも通常のファイル変換のように行なうことが可能です。また、初心者にはわかりにくい品質やコーデックの設定も、デフォルトでは自動で行われます。さらに、品質やコーデックの設定をカスタマイズできるため、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに適しています。
以下では、UniConverterを使って、MP3からMP4に変換する手順を説明します。
UniConverterでMP3からMP4に変換する手順
Step1.UniConverterを起動
UniConverterを起動し、画面左上の「変換」タブをクリックします(①)。
MP4に変換したいMP3ファイルを選択
画面左上の「ファイル」アイコンをクリックし、「ファイルを追加」を選択します(②)。
MP4に変換したいMP3ファイルを選択し(③)、「開く」をクリックしましょう(④)。
UniConverterにMP3ファイルが取り込まれます。
Step2.ファイル形式の設定
「設定ファイル」アイコンからMP4ファイルに変換できるよう設定しましょう(⑤)。
新しいウィンドウが開くので、「ビデオ」タブをクリックし(⑥)、「MP4」タブを選択しましょう(⑦)。
出力ファイル形式が「MP4」になっていることが確認できます(⑧)。
Step3.MP3ファイルの品質をカスタマイズ
出力ファイルの品質をカスタマイズしたい場合には、「設定」ボタンをクリックします(⑨)。
エンコーダや解像度、フレームレートなどを設定します。設定が完了すると、「保存」ボタンを押しましょう(⑩)。
Step4.MP3 MP4変換を実行
最後に「変換」ボタンを押しましょう(⑪)。
まとめ
音楽プレイヤーで音楽を楽しんでいた時代と異なり、動画ファイルに音楽データや映像データ、歌詞、メタデータなどを挿入することで、音楽を楽しむ幅が大きく広がりました。そのため、自分が所持している音楽ファイルを動画ファイルに変換する需要も増えています。その一方でMP3からMP4へ変換できるフリーソフトは動画編集の一機能として提供していることが多く、初心者には使いづらい側面があります。
Wondershare UniConverterは、通常のファイル変換と同じようにMP3ファイルからMP4ファイルを容易に作成できるツールを提供します。プロフェッショナル用にMP4ファイルのカスタマイズも可能であるだけでなく、簡単な動画編集機能もついています。複数のソフトを購入せずに、ワンストップで音楽ファイルをミュージックビデオへと変えてしまうUniConverterを試してみて下さい。