ネット上の情報や電子書籍など、テキストコンテンツが溢れる現代において、「日本語読み上げ」技術が注目されつつあります。
とくに、「日本語音声読み上げソフト」は、視覚に頼らずに情報を取得できる強力なツールです。
最近では、外国語学習者が日本語の正しい発音やイントネーションを習得するために、日本語音声読み上げソフトを使うこともあります。
そこで今回は、日本語音声読み上げソフトについて、その選び方から活用法まで、あらゆる角度から徹底的に解説していきます。
ソフトの導入を検討している人は、参考にしてください。
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Part1.日本語読み上げソフトとは?
日本語読み上げソフトとは、パソコンやスマホ上で、テキストデータを音声に変換して読み上げるソフトの総称です。
近年、AI技術の発展に伴い精度が向上し、人間が話しているのと遜色ない自然な発音やイントネーションで文章を読み上げることが可能となりました。
対応するファイル形式も、以下のようにさまざまです。
【音声読み上げに対応しているファイルの例】
- TXT
- DOCX
- HTML
最近では、画像内のテキストを読み上げるOCR機能を持つソフトまで登場しています。
ソフトをインストールするか、Webサービスとしてブラウザ上で利用することで、音声読み上げが利用できます。
Part2.日本語音声読み上げソフトを使うメリット
日本語音声読み上げソフトは、さまざまなメリットがあります。
【日本語音声読み上げソフトのメリット】
- マルチタスクの実現
- 動画やプレゼンの作業効率化
- 外国語学習への活用
それぞれ詳しく紹介するので、参考にしてください。
マルチタスクの実現
日本語音声読み上げソフトを活用すると、マルチタスクが可能です。
画面を見ることが難しい状況でも、ニュース記事や電子書籍を耳で聞けるようになります。
さらに、音声読み上げソフトによっては、再生速度の調整機能が搭載されているものもあり、よりスピーディーな情報収集が可能となります。
本来手が止まっていた作業でも、音声読み上げを活用することで、並行してできるようになるため、生産性が大きく向上することでしょう。
動画やプレゼンの作業効率化
日本語音声読み上げソフトは、動画コンテンツやプレゼンテーション資料の作成にも役に立ちます。
例えば、動画やプレゼンの原稿を、音声読み上げソフトで音声化することで、事前に内容や話し方の確認、改善点の洗い出しをおこなえます。
自分で原稿を読み上げる場合、内容に集中してしまい、客観的な視点を持つことが難しいことも多いです。
しかし、音声読み上げソフトであれば、客観的に自分の原稿を聴けるほか、より分かりやすい表現や、効果的な言い回しに修正できます。
また、動画編集ソフトと連携させることで、音声読み上げソフトで作成した音声をそのままナレーションとして使用することも可能です。
ナレーション収録の手間を省けるので、動画編集の時間効率化にもつながります。
さらに、異なる音声に切り替えることで、複数のキャラクターの音声を使い分けられることから、表現の幅を広げることもできるでしょう。
外国語学習への活用
日本語音声読み上げソフトは、外国語学習においても非常に効果的です。
とくに、外国語を学ぶ際、正しい発音やイントネーションを習得する上で強力なサポートになります。
外国語の文章をネイティブの発音で読み上げることで、リスニング力向上や、発音練習に役立てることが可能です。
また、多くのソフトでは、読み上げ速度を調整できるため、初心者でも自分のペースに合わせて学習を進められます。
さらに、自分の発音を録音し、音声読み上げソフトの発音と比較することで、発音の正確性を客観的に評価できます。
独学で外国語を学ぶ学習者にとって、日本語音声読み上げソフトは、ネイティブスピーカーの発音を手軽に確認できる心強い味方となるでしょう。
Part3.おすすめ日本語音声読み上げソフト一覧
国内で利用できる、日本語音声読み上げソフトは複数あります。
そのなかでも、以下のソフトは無料で利用できるためおすすめです。
- Uniconverter
- テキストーク
- SoftTalk
- コエステーション
- VOICEROID
それぞれの使い方や、魅力についてまとめたので、気になる人は参考にしてください。
Uniconverter
UniConverterは、Wondershare社が開発した、動画や音声の変換・編集など、さまざまな機能を備えたマルチメディアソフトです。
日本語音声読み上げ機能も用意されており、自然で滑らかな音声合成を実現しています。
ボックスに直接テキストを入力して、音声読み上げをする仕組みです。
Uniconverterで、音声読み上げをする方法は以下のとおり。
Step1.その他のツールからテキスト読み上げを選択
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まず、その他のツールからテキスト読み上げを選択します。
Step2.読み上げしたいテキストを入力する
次にボックスが出てくるので、読み上げたいテキストを入力しましょう。
事前にコピーしておくと、スムーズです。
Step3.オーディオタイプと声のトーンを選択する
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そして、オーディオタイプと声のトーンを選択します。
タイプを選択すると、イントネーションが変化する仕組みです。
声のトーンは、話者が変更され、それぞれ以下のとおり。
- 権威:サラリーマン系の男性の声
- 低い:低音の男性の声
- やわらかい:女性の声
それぞれ、自分が変換したいタイプに合わせて選ぶとよいでしょう。
Step4.必要に応じてエクスポートする
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最後に、生成ボタンを押すとテキスト読み上げが開始します。
音声については、必要に応じてエクスポート可能です。
また、Uniconverterには以下の機能も搭載されています。
- 自動字幕設定
- 動画編集機能
その多機能性と使いやすさから、初心者からプロまで幅広いユーザーにおすすめできるソフトです。
テキストーク
「テキストーク」は、シンプルで使いやすい操作性と、幅広いファイル形式への対応が魅力の日本語音声読み上げソフトです。
TXTなどの収容な文書ファイル形式に対応しているため、日常的な文書の読み上げから、電子書籍のオーディオブック化まで、幅広い用途で活用できます。
文章を読み込む場合は、以下の2つの方法があります。
- 文章をコピー&ペーストする
- ドラッグ&ドロップする
また、話速や音量の調整機能も備えており、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。
高度な機能は搭載されていませんが、シンプルで使いやすいため、日本語音声読み上げソフトを初めて使う方や、基本的な機能で十分という方におすすめです。
SoftTalk
「SoftTalk」は、動画制作やゲーム実況などに最適な日本語音声読み上げソフトです。
最大の特徴は、多種多様な「声質」を選択できる点です。
- 男性
- 女性
- 中性的な声
- ロボット声
このように、さまざまなバリエーションが用意されています。
さらに、声の高さや速さ、抑揚などを細かく調整できるため、自分のイメージに合った音声を自由に作成できます。
他のソフトにはない個性的な音声で、動画コンテンツにオリジナリティを加えたい方や、ユニークなキャラクターボイスを作成したい方に、おすすめのソフトウェアです。
商用利用する場合は、ライセンスを購入する必要があるので、注意しましょう。
コエステーション
「コエステーション」は、人間の声をAIが学習してオリジナルの音声を作成できる、音声読み上げソフトです。
自然で滑らかな発話を実現している点が、大きな特徴です。
さらに、企業や自治体向けに、オリジナルの「声」を作成するサービスも提供しており、自社のブランドイメージに合わせた音声コンテンツを制作することが可能です。
話速や音量の調整はもちろん、特定の単語の読み方を登録できる「辞書機能」も備えており、専門性の高い文書でも正確に読み上げることができます。
使用方法はさまざまで、以下があげられます。
- プレゼンテーション資料の作成
- 電話応答
- チャットの合成音声
- eラーニングコンテンツの制作
品質と信頼性を重視する人に、おすすめできるソフトです。
VOICEROID
「VOICEROID」は、株式会社AHSが開発する、人間的で自然な音声合成を実現するソフトウェアです。
最大の特徴は、感情表現の豊かさにあり、「喜び」「怒り」「悲しみ」などの感情パラメータを調整することで、キャラクターのセリフに感情を込められます。
ほかの音声読み上げソフトよりも人間らしく、表現力豊かな音声を作成できます。
また、VOICEROIDは、ゲーム実況やアニメーション制作、VTuber活動など、エンタメ分野で広く活用されています。
より自然で、感情豊かな音声合成を求める方や、キャラクターに個性的な声を与えたいクリエイターにとって、VOICEROIDは最適な選択肢となるでしょう。
Part4.日本語音声読み上げソフトの選び方
日本語音声読み上げソフトは、さまざまな種類があります。
種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない人も少なくありません。
失敗しないためには、以下の選び方を意識しましょう。
- 自然に読み上げるかどうか
- 日本語以外にもサポートがあるかどうか
- 声やしゃべり方のカスタマイズができるかどうか
自分に合った読み上げソフトを見つける意味でも、参考にしてください。
自然に読み上げるかどうか
日本語音声読み上げソフトを選ぶうえで、重要なポイントの一つが、音声が「自然に聞こえるかどうか」です。
AI技術の進歩により、多くのソフトが人間らしい自然な発音を実現していますが、なかには機械的なイントネーションが残るものも存在します。
不自然な発音やイントネーションは、聞き取りにくさやストレスの原因となり、長時間の利用には適しません。
そのため、ソフトを選ぶ際は、サンプル音声を確認したり、無料トライアル版を利用したりして、実際の音声品質を事前に確認することが重要です。
また、利用者のレビューや口コミを参考に、音声の自然さに関する評価をチェックするのも効果的です。
自然な音声で読み上げるソフトを選ぶことで、より快適に使えるようになるでしょう。
日本語以外にもサポートがあるかどうか
日本語音声読み上げソフトを選ぶ際には、日本語以外の言語への対応状況も確認しておきましょう。
とくに、外国語学習に活用したい場合や、海外の情報を音声で取得したい場合には、多言語対応は必須の機能です。
英語、中国語、韓国語などの主要言語に対応しているソフトは多く存在しますが、対応言語の種類や数は、ソフトによって異なります。
また、対応言語が多いだけでなく、その言語の音声品質が高いかどうかも重要なポイントです。
一部のソフトでは、特定の言語に強い、あるいは弱いといった特徴がある場合もあります。
そのため、事前に対応言語と音声品質を確認し、自分のニーズに合致しているかを見極めることが重要です。
声やしゃべり方のカスタマイズができるかどうか
自分好みの音声で読み上げをしたい場合、声の種類やしゃべり方を細かくカスタマイズできるかどうかも、重要な選択基準です。
多くの日本語音声読み上げソフトでは、複数の声が用意されており、男性や女性、子供などの異なる声質から選択できます。
さらに、話速や音量の調整、抑揚の強調など、より詳細なカスタマイズが可能なソフトも存在します。
Uniconverterを例に挙げると、イントネーションと話者の選択が可能です。
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ソフトによっては、特定の単語の読み方を登録できる「ユーザー辞書機能」を備えたものもあり、専門用語や固有名詞を正確に発音させられます。
これらのカスタマイズ機能を活用することで、より自然で聞き取りやすい音声を実現し、用途に合わせた最適な音声環境を構築可能です。
Part5.日本語音声読み上げソフトを導入する際の注意点
日本語音声読み上げソフトを導入する際、以下の注意点があります。
- 機械的で違和感がある場合がある
- 一部調整が必要な単語もある
- ファイルに制限がある
導入を検討している人は、注意点もよく把握しておきましょう。
機械的で違和感がある場合がある
近年のAI技術の進歩により、日本語音声読み上げソフトの音声品質は向上していますが、不自然な発音やイントネーションが残る場合があります。
とくに、長い文章や複雑な文章を読み上げる際に、違和感が生じやすい傾向があります。
また、ソフトによっては、特定の単語や表現が苦手で、不自然な発音になることもあります。
導入前に、サンプル音声や無料トライアル版で音声品質を確認し、機械的な音声が含まれるかを把握しておくことが重要です。
また、違和感のある箇所は、話速を調整したり、他のソフトを試したりすることで、改善できる場合もあります。
過度な期待はせず、自然な人間らしい発声に近づけるよう調整することが重要です。
一部調整が必要な単語もある
多くの日本語音声読み上げソフトは、一般的な単語や表現については、問題なく読み上げられます。
しかし、専門用語や固有名詞、新語など、辞書に登録されていない単語は、正確に読み上げられない場合があります。
とくに、複数の読み方が存在する単語や、特殊な読み方をする単語は、誤った発音で読み上げられる可能性が高いです。
辞書登録機能があるソフトなら、発音を事前に登録できるのでおすすめです。
ファイルに制限がある
日本語音声読み上げソフトによって、対応しているファイル形式は異なります。
多くのソフトが、TXT、DOCX、PDFなどの一般的なファイル形式に対応していますが、特定のファイル形式にしか対応していないものも存在します。
そのため、自分が読み上げたいファイル形式に対応しているかどうかを、事前に確認しておきましょう。
とくに、画像ファイルや、特殊なレイアウトのPDFファイルなどは、対応していないソフトウェアが多いため注意が必要です。
また、ファイルサイズに制限が設けられている場合もあります。
例えば、無料版ではファイルサイズの上限が低く設定されていたり、一度に読み上げられる文字数が制限されていたりすることがあります。
ファイルサイズや文字数の制限についても確認しておきましょう。
事前に、対応ファイル形式、サイズや文字数に制限があるかどうかを確認し、自身の利用用途に適したソフトを選択することが大切です。
まとめ
日本語音声読み上げソフトは、情報収集の効率化や外国語学習など、様々なシーンで活用できる便利なツールです。
しかし、機械的な音声が残る場合があることや、一部調整が必要なことも理解しておく必要があります。
これらの点を考慮し、自身の目的や用途に最適なソフトを選ぶことが重要です。