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ファイルの音量を一定化できるMP3 Gain(ゲイン)とは?使い方について解説
編集者 Takashi • 2024-11-15 11:25:38
MP3 Gain(ゲイン)は、シンプルな音量調整ソフトウェアです。MP3 Gainを使用することで音楽ファイルの音量を一定にすることができ、聴取時の快適さを向上させます。音楽ファイルの音量のばらつきに悩んでいる方のなかには、MP3 Gainの使い方やほかの類似ツールとの比較に関心がある人がいらっしゃるかもしれません。
この記事では、MP3 Gainの概要やメリット・デメリット、類似の音量調整ツールについて紹介します。
Part1.MP3 Gain(ゲイン)の概要
MP3 Gain(ゲイン)は、MP3ファイルの音量を調整するためのソフトウェアです。
MP3など一部の音声ファイル形式には、音量調整を行うためのメタデータやタグが含まれています。たとえば、MP3ファイルには、「ID3タグ」と呼ばれる、アーティストや作成年、曲名などのメタデータが埋め込まれています。ID3タグには音量調整に関する情報を含めることが可能で、専門の再生ソフトやメディアプレイヤーがID3タグを読み取ることで、自動的に音量を調整することが可能となります。
MP3 Gainは無料で提供されており、多くのユーザーにとって音楽ファイルの管理に便利なツールとなっています。
★MP3 Gain(ゲイン)の機能
MP3 Gain(ゲイン)には次のような機能が搭載されています。
音量正規化
MP3ファイルの音量を一定のレベルに調整します。これにより、プレイリスト内の曲同士で大きな音量の差がなくなります。
非破壊的編集
MP3 Gainは音量を変更すると、オリジナルの音質を損なわずにファイルを調整します。こうした非破壊的編集のおかげで、ファイルの元の品質は保たれたままで、音量だけが変更されます。
ReplayGainアルゴリズムの使用
MP3 Gainが音量を均質化するために、ReplayGainアルゴリズムが使用されています。このアルゴリズムは、音量情報をスキャンして基準値からどれだけの差があるかをID3タグに記録するものであり、Spotifyにもかつて採用されていました。
ただし現在は、音量測定と正規化に関する国際規格「ITU-R BS.1770」や「EBU R128」に準拠することが一般的です。ReplayGainのアルゴリズムはITU-R BS.1770やEBU R128といった最新の国際規格に完全に準拠していませんが、依然として有効で有益な技術であり、多くの音楽プレイヤー、リッピングソフトウェア、およびファイルフォーマットで対応しています。
ユーザーフレンドリーなインターフェース
MP3 Gainは使いやすいUI(ユーザーインターフェース)を提供し、音楽ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、簡単に音量調節を実行できます。
バッチ処理
複数の音楽ファイルの音量を一度に調整することができるため、時間を節約できます。
MP3 Gain(ゲイン)のメリット
MP3 Gain(ゲイン)のメリットは、無料で利用可能な点です。余計なコストをかけずに、音楽ファイルの音量を調整できます。またMP3ファイルの音量調整に特化したソフトなので、軽快に動作します。このほか、MAC用のソフト「MP3 Gain 4」やiOS用のアプリも用意されているので、スマホの音楽を音量調整するのにも役立ちます。
MP3 Gain(ゲイン)のデメリット
MP3 Gain(ゲイン)のデメリットは、MP3ファイルのみをサポートしていることです。たとえば、MP3より音質の高いFLAC形式の音楽ファイルの音量調節には対応していません。また、MP4などの動画ファイルの音量調整も行なえません。
また、MP3 Gainが長期間にわたって更新されていないため、最新のオペレーティングシステムやオーディオ技術との互換性に問題が生じる可能性があります。とくに、音量調節の仕様は、MP3 Gainが採用しているReplayGainアルゴリズムから、国際規格であるITU-R BS.1770やEBU R128への準拠に変わっています。このため、MP3 Gainで音量調整した音楽ファイルを現在のメディアプレイヤーで再生しても、音量調整されていない可能性があります。
このほか、ユーザーインターフェースが古いため、現代のソフトウェアに比べて見た目がやや時代遅れに感じられることが挙げられます。
Part2.MP3 Gain(ゲイン)の使い方
以下では、MP3 Gain(ゲイン)で音楽ファイルの音量を一定化する方法を紹介します。
Step1:MP3 Gainをインストール
MP3 Gainをインストールします。公式サイトなどからダウンロードしましょう。古いバージョンのMP3 Gainしかないので、Microsoft Visual Basicランタイムを含んだファイルをダウンロードしたほうがいいかもしれません。
MP3 Gainを立ち上げます。デフォルトでは英語表示されるので、日本語表示に変更しましょう。
Step2:音楽ファイルの読み込み
音量調節する音楽ファイルを読み込みます。「フォルダの追加」ボタンをクリックし、音楽ファイルの入ったフォルダを選択しましょう。
Step3:音量調節の実行
音楽ファイルが取り込まれるので、音量分析を行ないます。「一定値ゲイン」から音量調節を行ないます。「トラックゲイン」はすべての音楽ファイルを一定の音量に変え、「アルバムゲイン」はアルバムの流れを考慮し適切な音量に調節してくれます。今回は、「トラックゲイン」を選択してみましょう。
フォルダ内の音楽すべての音量が一定になります。
Part3.Windows・MACで使える音量調整できる代表的なソフト
MP3 Gainから別の音量調整ツールに乗り換える場合、次のソフトが候補として考えられるでしょう。
Wondershare UniConverter
Wondershare UniConverterは、ビデオ変換、編集、ダウンロード、録画など多様なメディア処理機能を提供するソフトウェアです。UniConverterは主にMP4やAVIなど動画ファイルの変換と編集に重点を置いていますが、音声ファイルの編集機能も充実しており、音量調節以外にも、歌声の強調やフェードイン・フェードアウトなど、基本的なオーディオ編集機能を提供しています。洗練されたUIであるため、初心者でもオーディオ編集を簡単に行なうことが可能です。
Audacity
Audacityは、機能豊富な無料のオーディオ編集ソフトウェアです。音量調整、エフェクトの追加、音声のカットや結合など多様な機能を提供し、初心者からプロフェッショナルまで幅広く使用されています。音量調節に関してAudacityが提供する主な機能は、増幅、正規化、圧縮、フェードイン・フェードアウトなどです。Audacityは多くのフォーマットの音声ファイルに対応しており、編集後のファイルを様々な形式で出力することが可能です。
Adobe Audition
アドビシステムズが提供するプロフェッショナル向けのオーディオ編集ソフトウェアです。
高度な音声処理機能、ノイズ除去、音量調整など、幅広いオーディオ編集ツールを精密に行うことができます。Adobe Auditionにおける主な音量調節機能は、Fade Envelope(音の振幅が時間とともに減少)やGain Envelope(音の振幅の減少幅が時間とともに増大)、スピーチボリューム・レベラー、マスタリングなど、高度な機能を含んでいます。
WavePad
WavePad Sound Editor(以下、WavePad)は、NCH Softwareによって開発されたオーディオ編集ソフトウェアです。ユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富な機能を備えており、個人使用から小規模ビジネスまで、幅広いユーザーに適しています。WavePadの主な音量調節機能は、音量の正規化、ダイナミックレンジ圧縮(小さい音が大きくなり大きい音が小さくなる)、自動ゲイン制御、フェードイン・フェードアウトなどです。WavePadでは、これらの音量調節機能のほかにも、エコー、リバーブ、イコライザー設定など、オーディオをカスタマイズするための多くのエフェクトとツールが用意されています。
GarageBand
GarageBandはAppleが提供する音楽制作アプリで、macOSやiOSで使用可能です。音量調節のほか、録音、楽器の演奏、ミキシングなど多様な音楽制作機能を備えています。ユーザーフレンドリーながら強力なツールを備えており、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに支持されています。GarageBandの音量調節機能は、ボリュームレベル・ステレオポジション・エフェクトレベルの調整やボリューム変更の自動化、イコライザー、ゲインコントロールなど高度な機能を含んでいます。
Part4.音量調節するならWondershare UniConverter
MP3 Gain(ゲイン)は、MP3ファイルの音量調整ニーズには適していますが、FLACやMP4といったそのほかのファイル形式に対応していないというデメリットがあります。とはいえ、音量調整できるオーディオ編集ツールは機能が多彩過ぎて、初心者にとって使い方が難しいかもしれません。
こうした音量調整を簡単に行ないたいという方にとって最適のツールが、Wondershare UniConverterです。Windows・MACといった主要OSでソフトが提供されているため、MP3 GainユーザーがUniConverterに乗り換えやすくなっています。「MP3しか音量調整できない」とお悩みの方も、FLAC、MP4、AVIなど多様なメディアファイルの音量調整がUniConverterで行なえます。
また、音量調節バーやステレオ調節バーをドラッグして音を調整できるだけでなく、フェードイン・フェードアウト、人の声の強調といったエフェクトがワンクリックで済むなど、オーディオ編集が直感的に行なえます。
UniConverterで音量調整する手順
以下では、UniConverterでの音量調節機能の使い方について紹介します。
Step1:UniConverterを立ち上げる
UniConverterを立ち上げます。画面中央の「動画編集」タブをクリックします(①)。
「音声」タブをクリックし(②)、音量調節したい音楽ファイルを取り込みます。
Step2:音量の設定
音量バーで音量を調節します(③)。音量調整した場合の音楽を聴くことができるので、確認してみましょう(④)。音量が最適になるまで、微調整しましょう。
Step3:音量調節の実行
調節したい音量が決まると、「OK」ボタンを押します。
「開始」ボタンを押すと、音量調節が実行されます(⑥)。
Part5.MP3 Gain(ゲイン)についてのよくある質問
Q:MP3 Gain(ゲイン)はWindows 11でも使用可能でしょうか?
MP3 GainはWindows 7で使用可能でしたが、長い間更新されていません。Windows 11での使用も可能ですが、Visual Basic Runtimeを追加でインストールする必要があります。
Q;MP3 Gainの音量調節機能について教えてください。
MP3 Gainの音量調節機能はシンプルで、音楽ファイルを分析し、トラックの音量を一定化することが可能です。すべての音楽ファイルの音量を一定化する「トラックゲイン」と、音楽ファイルの流れをくみ取って音量を調整する「アルバムゲイン」の2種類があります。
まとめ
MP3 Gain(ゲイン)はMP3ファイルの音量調整に特化したソフトであるため、非常に軽快に動作します。その反面、多くの音量調整機能を搭載していないため、ステレオ化やフェードイン・フェードアウトなど、ほかの音量調整機能をもったソフトを使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
Wondershare UniConverterは音量調整や歌声の強調などの機能を簡単に操作できるだけでなく、ノイズ除去など一通りのオーディオ編集ツールを搭載しています。「オーディオ編集ツールは敷居が高い」と思っている方も、UniConverterの操作性の高さを実感してみてください。
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